世界水泳が7月14日~7月30日に福岡市で開催されています。福岡市の都心部にあります福岡城跡と鴻臚館跡にも、世界各国の方々にお越しいただいております。
舞鶴公園内には、福岡城跡と鴻臚館跡の2つの史跡があり、二重史跡と呼ばれています。
鴻臚館跡は福岡城跡内の一部で、同じ地域での二重の指定は、全国でも初となっています。
昭和62(1987)年12月、平和台野球場外野席改修工事による発掘調査で、鴻臚館の遺構の一部が発見されました。福岡城跡は昭和32(1957)年国の史跡になり、昭和57(1982)年に追加部分が国史跡となっております。鴻臚館の遺構が発見されたことにより、福岡城跡が改めて注目を浴びることになりました。そして、平成16(2004)年に鴻臚館跡も国史跡に指定され、全国的に珍しい二重史跡になりました。
鴻臚館は飛鳥・奈良・平安時代にかけて整備された迎賓館で、館内には出土品や復元建物も展示しています。鴻臚館跡展示館は、礎石の遺構の上に覆屋を建て、平成7(1995)年にオープンしました。
一方、福岡城は黒田長政により、1601年から約7年かけて築城されました。城内は天守台、本丸、二の丸、三の丸の四層に分かれ、47の櫓・10の門を配していました。城の内郭部分の面積は約41万平方メートルありました。南側に赤坂山から伸びる丘陵を切断して掘を切り、北側は潟を埋め立てて城下町とし、西側は湾入する入江(草ヶ江)を利用して大堀とし、東側は那珂川まで中堀(紺屋町堀)・肥前堀を連結していました。これら福岡城跡を1/400の模型などによりビジュアルに理解していただける施設が福岡城むかし探訪館で、平成24(2012)年にオープンしました。
ところで、福岡城跡の西の方にある福岡城・鴻臚館案内処 三の丸スクエアは、旧舞鶴中学校跡に、平成26(2014)年にオープンしました。
この中にある壁面の航空写真では、古代と近世の海岸線を確認することができます。
写真の右側が、舞鶴公園で、左側が大濠公園です。舞鶴公園内のオレンジで囲っている場所が福岡城跡の範囲です。その中の黄色い部分が鴻臚館跡です。鴻臚館は博多湾に突き出した標高約9m前後の丘陵地に築かれていました。そして、鴻臚館跡の中の横線が、鴻臚館時代の海岸線の位置になっています。そこから上は砂丘が広がり、その向こうは海が広がっていました。鴻臚館の時代はすぐ目の前が海だったなんて面白いですね。
右上の緑色の点線部分は、福岡城時代の海岸線です。鴻臚館時代よりも海岸線がかなり上(北の方)にあります。これは、福岡城が赤坂山の一部を天守台として利用して造られ、南側の堀は赤坂山を削って、その土の一部で北側の海岸線を埋め立てたそうです。
古代、近世、現代と時間とともに地形の変わったこれらの様子を、航空写真でお楽しみください。
また、この三の丸スクエアの航空写真や、福岡城むかし探訪館にある散策コースのご紹介ビデオをご覧になってから城内を回られますと、とても分かりやすいと思います。
ぜひ、暑さ対策をなさって、これらの施設にもお気軽にお立ち寄りください。