福岡城は天守台、本丸、二の丸、三の丸の門[枡形(ますがた)]など多くの部分が石垣で造られています。その総延長は3kmを超え、高さが10mを超えるところもあります。東御門跡では、城主の権威の象徴とされる鏡石を見ることができます。
福岡城の石垣は大きく三種類に分けられ、一つは自然石を積み上げた野面積み(のづらづみ)で、基本的には古い石垣に使われたと考えられています。天守台を中心に城の南に多く採用されています。石材は礫岩(れきがん)が多く、玄武岩(げんぶがん)、花崗岩(かこうがん)も使われています。
二つ目は割石を用いて積み上げた割石積み(わりいしづみ)です。野面積みに比べると加工度が上がり、石垣の勾配は急になり高さも増していきます。石材には割跡の矢穴(やあな)が残っています。お城の北側を中心に見られ、石材は主に花崗岩が使用されています。
三つ目は、石垣の角の部分に用いられる算木積み(さんぎづみ)です。直方体に加工された石を交互に積み上げる技法です。これにより石垣全体の強度が格段にアップします。