南丸(二の丸南郭)にある国指定重要文化財の多聞櫓は、江戸時代から城内に残っている数少ない建物のひとつです。二層の隅櫓とそれに連なる三十間の奥行をもつ平櫓からなります。高く積み上げられた石垣を土台に築かれ、「石落」が備えられていることから、いざというときの防御のための櫓と考えられています。

 また、現在の多聞櫓は後世の改修を受けたものと考えられ、平櫓は嘉永6年(1853年)から翌年にかけて建て替えられたものです。

 なお、平櫓の内部は、一般に突き抜けの状態となっていることが多いなか、本櫓では、十六の小部屋に別れています。この多聞櫓の内部は非公開となっていますが、イベント時等に一般公開しているほか、桜の季節にはライトアップされ、幻想的な空間をつくりだしています。