福岡城内の足跡(表示石)を訪ねて(その7)~桐木坂御門跡~

福岡城の日々

桐木坂御門は福岡城の南西側にあり、三の丸から二の丸へ入るための門でした。
進入路は防御のため鍵型の造りになっており、これは北東にある上之橋御門などと同じです。

上之橋御門は福岡城の正式な門として、藩主や賓客の登城の際などに使用されていました。

往時は櫓門がそびえており、そこをくぐり中へ入ると、周囲を囲む石垣には、加工された大きな割石が高く積まれています。
道幅も広く、足を踏み入れたと同時にお城の威厳、また堅固な防御力を感じさせる造りです。

 

これに対して「桐木坂御門」は、本丸を挟んで北東の上之橋御門に向い合う位置、南西側にあり、通用門として使用されています。

防御力は同様に高い造りなのですが、雰囲気は随分と違います。
勾配の急な坂、不揃いな自然石を積み上げた野面積の石垣など上之橋御門とは対照的です。

この桐木坂御門はいくつかの資料によって、建っていた位置や一層の門であったことは分かっているのですが、どのような意匠であったかは明らかになっていないようです。

西側からこの桐木坂を上り二の丸を目指すと、右手に多聞櫓があります。

また左手には二の丸西側を守る長い直線の石垣。
正に「鉄壁」という表現が頭に浮かぶ景色です。

「石城」とも呼ばれた福岡城。
上之橋御門跡とともに、ぐるりと囲われた曲輪のスケール感を楽しめる場所のひとつです。
「桐木坂御門跡」表示石の辺りはちょっと苔むしていて、一見、山城のような雰囲気も….
場所によって大きく違う福岡城の様々な表情も是非ご覧ください

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