博多松囃子

福岡城の日々

松の内、鏡開きと終わり、お正月の雰囲気もずいぶんと薄れてきました。

 

〈鏡開き〉や〈どんと焼き〉ご存知ですか?

 

でも、中国や韓国など東南アジアでは、旧暦に沿ってこれからがお正月。
春節のお休みになりますね。
今年の旧正月は1月25日とのこと。

 

 

江戸時代、旧暦のお正月には、福岡城に博多松囃子(はかたまつばやし)と呼ばれる一行が、お殿様へ新年の挨拶に訪れていたそうです。ちょうど今頃の時期ですね。

松囃子は本来小正月(旧正月15日)の行事で、新しい年に祝福をもたらす歳神様を迎える民族行事が芸能化したものです。

繁栄を祈って山から神の依代である松を伐って家に招き入れることを「松囃子」と呼び、その〝はやし〟を歌舞音曲の意に解して、芸能としての松囃子が生まれたのであろうと言われています。

 

元々京の都から各地に伝わったようで、室町時代が最盛期であり、博多では1539年の正月に松囃子が行われていたことや、1595年に当時筑前を治めていた 領主の小早川秀俊(秀秋)が博多の町衆から訪問を受けたという記録があります。

その後、福岡藩の時代には松囃子の一行が、博多の町から福岡城の藩主を訪問するようになりました。
一行は先導する笠鉾に続き、馬に乗った三福神と稚児、その後ろに「通りもん」と呼ばれる仮装をした人々や山車(だし)が続く、長いにぎやかな行列でした。

 

今でもこの祝賀、晴(ハレ)の様子を福岡城で目にすることが出来ます。
この松囃子はその後形を変え、現在の「博多どんたく」となっています。
「博多どんたく」開催期間中の5月4日には、江戸時代さながらの松囃子の一行が、福岡城へ表敬訪問し、黒田家子孫の方から〝一束一本〟を受け取る様子をご覧いただけます。

詳しくは 2019.5.6ブログ「福岡城に〝松ばやし〟がやってきた!」をご覧ください

 

「博多松囃子」はこのほど、国の重要無形民俗文化財に指定されることになりました!
旧正月の行事が長きにわたって継承され、これからも街の発展を願い続けられていく…。
晴(ハレ)の時期に相応しい嬉しいニュースですね (^^)/

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